木原稔官房長官 講演

投稿者:落合智貴
木原官房長官
8月4日に木原稔官房長官のご講演を聴く機会に恵まれました。
木原官房長官は熊本県選出の議員であり、冒頭に熊本地震についての見解をお話し頂き、10年前の教訓をしっかり生かしていきたいと述べました。
8月3日に高市首相が現地入りしましたが、首相として発表するポイントは3つあったとの事。
一つは「特定非常災害への指定」、二つ目は「激甚災害の指定」、三つめは「予備費200億円の取り崩し」。
10年前の熊本地震の際には当時の蒲島知事が“ビルドバックベター”との方針を掲げたが、国として制度や予算をしっかり担保してあげることが被災地域の方にとって重要と考える、との事でした。

皇室典範の改正についてもお話しいただきました。
今年は皇紀2686年。世界で最も長い皇室である。
イギリスのエリザベス女王が、上座を勧められたのは日本の天皇(現在の上皇陛下)とローマ教皇だけである。
ローマ教皇と日本の天皇(上皇陛下)が対談した時も日本の天皇が上座を勧められるほど権威のあるものである。
今回は女性皇族の確保と男系男子の養子縁組が認められる改正となった。

国家情報会議設置法案は、今後各省庁がバラバラに行っているインテリジェンスを国家情報局に提供を命じることが出来るようになる。

高市早苗首相の人柄については、物事を慣例にとらわれず合理的に考える人である。
熊本地震の際も、現地から遠く離れた首相官邸の会議で防災服を着ても意味はないと、従来の慣例をやめた、との事でした。

最後に質問のお時間があったので、手を挙げて質問させていただきました。
“地震や災害はいつどこで起きるかわからないが、災害対応は現地の市区町村ではノウハウが不足するケースが多いと思う。防災庁の設置によって意思決定の仕組みがどう変わっていくのか?”との質問に対し、
木原官房長官は“現在は東日本大震災への対応は復興相が行っている。新たな災害に対しては防災担当大臣が担当し、各省庁から出向してきた役人がチームを組んでいる。出向者は2~3年で自分の省庁に帰ってしまうのでノウハウが継承できない。防災庁が出来ればプロパーの職員がノウハウを蓄積することが出来る。専門家集団を作っていきたい”とご回答いただきました。
事前防災・事後対応の両方において国が司令塔機能をしっかりと発揮することが大事であると個人的に感じました。
【官房長官は首相官邸の要です】 
首相官邸

熊本県で震度7の地震発生

投稿者:落合智貴
令和8年7月28日に熊本県で震度7の地震が発生しました。
平成28年4月14日以来10年ぶりの大地震となりました。
イオンモール熊本ではプロパンガスのガス漏れによる爆発も発生。
電気や水道、ガスといったライフラインが寸断している場所もまだまだあるようです。
命を落とされた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、一日も早い復旧をご祈念申し上げます。
【イオンモール熊本での爆発事故】
イオンモール熊本
菅野拓著「災害対応ガバナンス」(ナカニシヤ出版)では被災者支援に対する問題点を論じています。
学校の体育館が避難所になるケースが多いですが、その風景は1930年に起こった伊豆地震の時と大して変わっていないと、この著書では写真で見比べています。
イタリアの避難所ではすぐに温かい食事やワイン、ベットが提供されるとの事。
紛争などで避難を余儀なくされた難民の国際的な支援基準より日本の避難所は低水準だそうです。
「ある地域にたまにしか起こらない」災害に対して、平時に適応した組織体制をとっている地方自治体が災害対応を行うことが混乱の原因であると著者は述べています。
これを解消するために【「災害対応のマルチセクター化」と「社会保障のフェーズフリー化」】が必要であると著者は結論づけています。
「災害対応のマルチセクター化」とは営利企業やNPOなどのサードセクターの組織といった政府以外の担い手も、活動するための体制や財源の公的な根拠をもって自律的に災害対応に参画できるようにする事。
「社会保障のフェーズフリー化」とは普遍的なものになった社会保障の制度体系の中に被災者支援を位置づけて、平時の社会保障の担い手たちが被災者支援を行う事。
現在防災庁の設置準備が進められていますが、災害のプロフェッショナルが司令塔となり、災害現場の意思決定を指揮していくというのが重要だと感じました。
個人的な意見としては防衛省と防災庁を一体の組織として運営すればシームレスな災害支援ができるのではないかと感じました。
毎年のように発生する自然災害への対応は、ノウハウの蓄積が大切だと思います。
災害対応ガバナンス