投稿者:落合智貴
東京管工機材商業協同組合の恒例行事であります、製販懇談会が4月18日にホテルローズガーデン新宿にて行われました。
メーカー8社様による現況報告が行われましたのでご紹介いたします。
●JFEスチール
鉄鋼業界は自動車・造船が好調。建築関連は2025年までは再開発案件など大型物件が堅調と思われる。鋼管は基準在庫を維持しているが、原料や物流費のコスト増により値上げの予定。
●JFE継手
ねじ込み継手の生産量は2008年度の3.3万tから2018年度には2.7万tまで減少している。非住宅の着工床面積の落ち込みよりもダウン幅は大きい。鉄管継手の需要状況は今後も厳しい。
●フネンアクロス
2018年度は前年対比105.7%の売り上げ増の見込み。耐火二層管プレカットや遮音製品など高機能商品の売り上げが好調。昨年発売した200φの売上も好調で、生産が遅れている状況。秋には新製品を出したい。
●クボタケミックス
2018年度はパイプ前年比98.3%、継手95.8%となった。今期は住宅着工戸数の減少が見込まれ、塩ビも98%の出荷を予想。物流コスト増により4月に値上げを行う。
●キッツ
バルブ生産額は2009年の3728億円から2017年に4776億円と上昇している。青黄銅・鋳鉄は減少傾向だが、ステンレス鋼やバタフライ弁は増加傾向。手動弁から自動弁へ需要が移行している。
●川本製作所
2018年度のポンプ生産台数は67万台と前年比101.8%。ブースターポンプが売り上げの中心。東京のブースターポンプは平成7年にスタートしたが買替需要が増えている。川本製作所はお陰様で100周年を今年迎えることができた。
●LIXIL
CEO退任問題でお騒がせしているが、報道以上のことはわからない。温水暖房便座の普及率は80%を超えた。災害時のトイレ問題は重要。LIXILとしてはレジリエンストイレを各種発売している。
●パナソニック
ルームエアコンの2018年度は猛暑の影響で出荷台数981万台と過去最高。2019年度は少し減ると思われる。住宅着工戸数は将来57万戸まで減少するだろう。ただしリフォーム需要は6.0兆円から6.9兆円まで増えると予想している。人口減や職人減が今後の課題。
月別: 2019年4月
平成 から 令和 へ
投稿者:落合智貴
4月1日に菅官房長官から次の元号が「令和」であることが発表されました。
世論はおおむね好意的に受け止め、5月1日の改元に向けて昂揚感が感じられます。
この半年~1年の間は“平成最後の”が枕詞となり、平成の30年間を振り返る特集などが新聞やテレビや書籍などで多く見られました。
保阪正康著「平成史(平凡社)」では平成の30年がどのような意味を持っていたのかを論じています。
平成の今上天皇は、昭和の戦争観を強く意識し、戦争への強い不信の念を持っている。昭和を因とし、平成を果とした様々な光景が生み出されている。また、平成の時代は「災害史観」という語が特徴的であり、阪神淡路大震災や東日本大震災を経て日本人が改めて災害という恐怖と向き合うことになったと述べています。
その他本文のなかでは以下のように平成の特徴を論じています。
・平成の始まりは米ソ冷戦の終結という転換点と重なる。
・自民党の1955年体制が崩壊し、非自民政権が誕生した。平成の政治を劣化させたのは小選挙区制の導入によるところが大きい。
・平成の今上天皇・皇后は“戦争”と“災害”に常に寄り添い続けた。
・自社さ連立政権の本格始動・阪神淡路大震災・オウム事件・Windows95の発売があった平成7年が昭和と平成の本当の転換点である。
・<戦後>という概念が死んでしまった。戦後民主主義を支えてきた人命尊重や人権尊重という価値観や倫理観が崩れてしまった。
・インターネットの時代になり情報の“送り手”と“受け手”の区別が無くなったと共に、質が低下した情報が大量にまかれるようになった。
これからは平成を因とし、令和を果とする因果が新たに生まれてくるのでしょう。
我々は平成の教訓を令和の時代にどう生かしていくべきか。
良い時代を作り、歴史を刻んでいくのは、今を生きる私たちの役目だと思います。