投稿者:落合智貴
埼玉県春日部市に「首都圏外郭放水路」という施設があり、先日見学してきました。
首都圏外郭放水路は、洪水を防ぐために建設された世界最大級の地下放水路です。中川、倉松川、大落古利根川、18号水路、幸松川といった中小河川が洪水となった時、洪水の一部をゆとりのある江戸川へと流すことができます。中川・綾瀬川の流域は、利根川や江戸川、荒川といった大きな川に囲まれています。この地域は、土地が低く水がたまりやすいお皿のような地形となっているため、これまで何度も洪水被害を受けてきましたが、この施設の建設によって水害が大幅に軽減されたそうです。
内径約30m、高さ約70mの立坑が5つあり、各立坑は地下トンネルで連結されています。各地の増水を立坑で一旦吸収し、下流の立坑に水を送っていきます。今回見学したのは江戸川に流す最後の第1立坑に直結している「調整水槽」となります。これはトンネルから流れてきた水の勢いを弱め、スムーズに江戸川へ流すための巨大プールです。太い柱が並ぶ壮観な姿は『パルテノン神殿』のようだとも言われています。
ゲリラ豪雨などが増えている昨今、洪水被害は毎年のように起こっています。
ダム建設なども含め、治水は非常に時間のかかる事業となります。
水は生活に欠かせないインフラであるとともに、災害を引き起こす存在でもあります。
水とうまく付き合っていくことは人類の永遠のテーマかもしれませんね。