丹羽宇一郎さん

投稿者:落合智貴
丹羽宇一郎

“問題が多いのは、懸命に生きている証だ。”

伊藤忠商事の社長・会長を務め、日本郵政取締役や民間出身初の中国大使を歴任したのが丹羽宇一郎さんです。
冒頭の言葉は、著書「仕事と心の流儀」のサブタイトルです。
丹羽さんはバブル崩壊直後に伊藤忠商事の社長となり、当時としては異例の4000億円の大規模不良債権処理を敢行しました。
歴代経営者の反対を押し切って膿を出し切り、ファミリーマートのグループ化など、次への改革を進めていきました。
丹羽さんは経済界の論客として、政府にもズバズバと本質を突いた苦言を言える数少ない人物だと思います。

「仕事と心の流儀」では以下のようなことを述べています。
●問題が多いことを喜べ。それは懸命に生きている証だ。
“自分はこうしたい”という強い気持ちがあるのに今はそうなっていないから問題だと感じる。つまり問題が多いという事は真剣に生きているということ。問題があることを喜ぶべき。
●きみはアリになれるか。トンボになれるか。人間になれるか。
入社して10年くらいはアリのように地を這い、泥にまみれてがむしゃらに目の前の仕事をこなす。40代前半位まではトンボのように複眼的・多角的な視点で物事を見るべき。40代後半から50代は自分ではなく他者を思いやる“利他の精神”をもつ人間になる時期である。
●“くれない症候群“から抜け出せ
上司が認めてくれない、同僚が協力してくれない、会社が公正に評価してくれない と思ったらそれは自分のせいではないかと頭を切り替えるべき。
●清く、正しく、美しく
“清く”は倫理観や良識を持ち法律違反をしないこと。“正しく”は社会正義に反しない、嘘をつかないということ。“美しく”は他者に対する思いやりがあり、心と行動が美しく、挨拶をきちんとすること。
●誰にだってチャンスはある。でも、勉強しないとチャンスは掴めない。
目の前に流れている情報をボーッと眺めているだけでは駄目で、日頃から関心のある情報を頭に入れ、気になることがあれば調べておくという姿勢でなければチャンスは掴めない。