管機連 第四回定時社員総会

投稿者:落合智貴
一般社団法人 全国管工機材商業連合会(略称 管機連)という団体があります。配管材料などを扱う各都道府県の業界団体の上部組織です。6月14日(火)にグランドアーク半蔵門において定例の第四回総会が行われました。私はこの総会の司会を今回を含めて4年連続で務めさせていただきました。各地域の理事長様の報告もさることながら、国の各省の講演が大変参考になりましたので報告したいと思います。

●経済産業省 製造産業局 茂木氏 「第四次産業革命への対応」
円安がしばらく続いたが生産の日本国内への回帰はあまり行われていない。国内拠点は「イノベーション拠点」「マザー工場」「フレキシブル工場」の役割と考えている企業が多い。IoT、ビックデータ、人工知能(AI)、ロボットなどの発達によりこれまで実現不可能と思われていた社会が現実に起こりうる。第四次産業革命とは、大量の情報を基に人工知能が自ら考えて最適な行動を取ることができる「自律的な最適化が可能」になる世界である。IoTの分野ではドイツがリードしている。

●国土交通省 住宅局 真鍋氏 「ストック時代の住宅行政について」
日本の人口は2010年をピークに減少していく見込み。住宅着工は100万戸割れが続いている。日本の住宅は使用期間が諸外国と比べてとても短い。滅失住宅の平均築年数はイギリスの81年、アメリカの67年に対して日本は持家で35年、借家で27年しかない。日本の空き家は現在約820万戸もあり、この20年で1.8倍に増えている。空き家のうち賃貸用の住宅が52.4%を占める。国の「住生活基本計画」では①若年・子育て世帯や高齢者が安心して暮らすことができる住生活の実現 ②既存住宅の流通と空き家の利活用を促進し、住宅ストック活用型市場への転換を加速 ③住生活を支え、強い経済を実現する担い手としての住生活産業の活性化 を目指している。

●厚生労働省 健康局水道課 宮崎氏 「水道行政の現状と課題」
水道事業の経営は年々厳しくなっている。経営状況の悪化により施設の更新など必要な投資が行えず、老朽化が進行している。平成25年度の管路更新率はわずか0.79%であり、すべての管路を更新するのに125年以上かかるペースになる。過度なコスト削減に伴う水道職員の削減による体制の弱体化により水道施設の維持管理が困難になる懸念がある。水道基幹管路の耐震適合率は平成26年で36%にしか達していない。今年の熊本地震では43万戸断水した。現在は99.9%が復旧している。


【新会長の小泉氏(東京組合)のあいさつ 一瀬氏(大阪組合)からバトンを受け継いだ】