40年周期の日本

投稿者:落合智貴
2024年が明けましたが、年始から能登半島震災や羽田空港の飛行機事故など不穏なスタートとなっています。一方、株価は年初から上昇基調で、能登半島の復興への願いと共に今後の経済活動には期待感が高まっているように感じます。

来年2025年は昭和100年にあたります。同時に昭和20年の終戦から80年にもあたります。
半藤一利著「昭和史(上・下巻)」と、吉崎達彦著「1985年」という二つの書籍において同じ説に言及があります。
それは『日本の盛衰40年周期説』
日本が40年おきに上り坂と下り坂を繰り返しているというものです。

江戸時代末期に徳川幕府が力を失っていきますが、開国を求める諸外国の要求に応じざるを得ないと徳川幕府が考えたのが明治維新の3年前、1865年頃だったそうです。
その後日本は欧米列強からの植民地支配を防ぐために“富国強兵”と“殖産興業”を進め、1905年に日露戦争で勝利するまでになります。ここまでが上り坂の40年です。
その後日本は領土拡大を目指して軍部主導で無謀な戦争に突入していきます。
1945年の敗戦までが下り坂の40年。
焼け野原となった日本は経済重視の政策を進めて戦後復興を進め、GDP世界第二位まで上り詰めます。上り坂の40年の果てに1985年のプラザ合意がありました。日本の貿易黒字とアメリカの貿易赤字を是正するためにドル安・円高をアメリカから求められたもので、バブルの発生とその崩壊の原因になったという説もあります。1ドル250円近かった円相場がプラザ合意の3年後には120円近くまで円高になります。製造業を中心に成長してきた日本ですが、円高を受けて次々に製造拠点を中国などに移し、空洞化が起こります。
バブル崩壊後の下り坂は、円高・デフレ・人員過剰が常態化し、物価も賃金も30年近く横這いという状況が続いています。

プラザ合意からちょうど40年後が来年2025年です。
『日本の盛衰40年周期説』が本当なら、そろそろ上り坂に転ずることになります。
この1~2年、その兆候は見えてきています。円安・インフレ・人手不足が足元の状況です。半導体工場の相次ぐ建設をはじめ、海外から日本に製造拠点を戻すメーカーが増えており、内需が大きく改善することが期待されています。
“景気は気から“とも言います。これから来る上り坂40年を楽しみにしたいと思います。

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【産経新聞HPより 写真は1985年プラザ合意】