投稿者:落合智貴
2022年(令和4年)はコロナ禍3年目への突入とともに、オミクロン株の感染拡大が急増する不穏なスタートとなりました。
この一年がどのような年になるか考えてみたいと思います。
日本経済はコロナ禍の影響度合いによって明暗が分かれていますが、飲食や旅行業界は今後もコロナ次第ということになりそうです。オミクロンの感染者が軽症で済むケースが多いことが分かってきており、コロナとうまく付き合いながら経済を回していくフェーズに入っていくことを期待したいと思います。
その他の業種では需要側としては、長引く自粛や給付金などによって一般家庭では貯蓄が増えており、リベンジ消費が期待されています。旅行や飲食にお金が使えない分、リフォームを含めた贅沢品への支出が期待されます。不動産においてはオフィスの空室率が上がっているにも関わらず、地価が下がっていません。マンション価格がかなり高額になっているのに購入意欲が衰えないのも最近の特徴です。
一方、供給側は原油の高騰などの影響により、鉄・銅・塩ビなど配管材料に使われる素材価格は昨年来高騰を続けています。今年2月には塩ビ管は3次値上げとして30%アップを各メーカーが発表しています。また半導体不足、ベトナムのロックダウンを契機とした電子部品の供給不足、中国の電力不安による生産の遅れ、アメリカのコンテナ船の滞留など、コロナの影響が様々な形で作用し、全体の供給不安に結びついています。給湯器・ウォシュレット・ポンプなど生産の遅れを回復するには半年ほどかかりそうです。
日本経済は長くデフレ基調が続いていましたが、昨年来の素材値上げは今後消費者物価を押し上げる要因になると思います。賃金よりも先に物価が上がることで一時的に社会の不満が起こると思われます。過去30年、世界の賃金は上昇しているにも関わらず、日本の賃金は横這いを続けています。岸田内閣も企業に賃金増を要求していますが、緩やかなインフレと賃上げへの転換点になるのが2022年になって欲しいと思います。