投稿者:落合智貴
フランスの経済学者トマ・ピケティの著書「21世紀の資本」がブームとなっています。私も気になって書店に行きましたが、本の厚みと値段(6,000円位します)を見て読むのは挫折しました(笑)。
いろんな書評を見ましたがおおむね評価が高いようです。テーマは“富の蓄積と格差“ということになると思います。例えばその国の上位0.1%の所得を占める人が全体の何%の所得を占めているか?あるいは上位1%の資産が全体の何%の資産を占めているか?といったことを世界各国の過去からの膨大なデータを調べたというものです。結論として、資本主義は放っておくと格差がどんどん広がっていくという事なんですね。
日本の場合はどうでしょうか?日本は欧米諸国などと比べると超高給取りが少ないので世界的に見たら所得や資産の上位者のシェアは小さいです。ただし、かつて中流意識が高かった日本も最近では生活が苦しいと考える人が増えたとの分析もあります。
こういった格差問題は税制などで解決することが可能だと思いますが、長期的な格差の是正をするとなると相続税をかなり多くする必要があると思います。
かつては資本主義と社会主義というのがイデオロギーの対立軸でした。そして資本主義の欠点をそろそろ是正するべきだと考える人が増えているというのが今回のブームの理由なのかもしれません。成功者が巨万の富を得る社会と、貧困のない社会。今後はこの二つのバランスをどの程度にするかというのが世界のイデオロギーの論点になるのかもしれませんね。
そういう論点で考えると、中小企業の存在が重要になってくると思います。
雇用の受け皿として、元気な中小企業を目指したいと思います。