「クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界」

投稿者:落合智貴
講談社から出版されている「クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界」を読みました。著者はギリシャの経済学者で財務大臣も務めたヤニス・バルファキス氏です。
リーマンショックが起こった2008年以降、世界が現実とパラレルワールドの二つに分岐します。【もう一つの世界】がどんな世界であり、登場人物たちがどう感じているかをフィクションとして描いています。
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【もう一つの世界】の2025年には人々は「パーキャプ口座」という
1、基本給やボーナスが振り込まれる「積立」
2,赤ん坊が生まれると同時にまとまった額が振り込まれる「相続」
3,社会資本のリターンが受け取れる「配当」
の3つの資金口座が与えられます。
市中銀行や株式市場は廃止され、会社の従業員は全て平等に一人一株が入社と同時に与えられ、会社経営の意思決定に参加します。

今の世界はアメリカを代表とする“行き過ぎた資本主義“と中国を代表とする”行き過ぎた権威主義“が覇権を争っているようにも見えます。
この本に描かれる【もう一つの世界】は理想郷なのか、それとも現実の世界のほうがより“まし”なのか。
より良い世界とはどんなものか、考えるきっかけになる本だと思いました。