投稿者:落合智貴
先日、経済再生担当大臣の赤澤亮正先生のご講演を聞く機会を頂きました。
先日までトランプ大統領と対峙された”時の人”である現職大臣の貴重なお話で、大変ありがたかったです。
講演の内容をご報告申し上げます。
タイトル「日本の経済戦略および日米関税合意について」
1,今後20年で1500万人の生産年齢人口が減少する見込みだが、人口減少下における持続可能な経済社会の構築に必要なのは
①労働参加の拡大 ②生産性の向上 ③出生率の向上 であり、その中でも②生産性向上がポイント。
省力化投資・DXの推進・AIの活用を通じて、余った人材を給料の高い仕事にシフトさせることで人手不足を解消できる。
ガソリンスタンドが廃業してガッカリしていたが、隣のスタンドに転職したら給料が上がったといった例もある。
2,防災DXの推進については、省庁横断の防災デジタルプラットフォームを早急に実現することが大事。
現行の防災体制では200~300人の災害対応だけでパンクしてしまう。
防災庁の設置により平時の備えを強化しなければならない。
3,米国の関税措置に関する日米合意のポイントは3つ。
①「関税より投資」の考えを米側に一貫して主張。
日米間の合意には日本側の関税を引き下げることは含まれていない。
②相互関税の上乗せなしで合意したのは日本とEUのみ。
数量制限のない自動車・自動車部品関税の引下げを実現。
③半導体と医薬品について、日本がEU等の第三国に劣後する扱いとならないことを確認。
4,最低賃金近傍労働者(地域最低賃金額×1.1未満の労働者)が658万人(14.7%)もいる。
最低賃金を上げると20%の中小企業が廃業するという人がいるが、すでに658万人の人が苦しんでいるのを何とかしなくてはいけない。
時給1500円に向けて上げていくべきである。
助成金の基準も緩和されているので活用してほしい。
赤澤大臣は石破総理とずっと行動を共にしてきたので、なかなか日の目を見ることが少なかったとの事です。
最低賃金の引き上げや、防災庁の設置には並々ならぬ思いがあるようでした。
お話は非常にわかりやすく、大変勉強になりました。