投稿者:落合智貴
石原慎太郎氏が本を書いたことが発端だったのでしょうか、最近書店に行くと田中角栄のコーナーができています。
田中角栄が首相だったのが昭和47年7月~昭和49年12月ですので当時私は1~3歳。首相在任中の記憶は私にはありません。首相を辞めた後「闇将軍」として権力を握っていたイメージや「ロッキード事件」の方が強く印象に残っていますね。
最近の角栄ブームは、金権政治の負のイメージの強かった角栄氏の良い所、スゴイ所に焦点を当てている論調が多いようです。自分の事を批判していたライバルの大物政治家が入院した際に何度も病院を見舞い、札束を置いて行ったというエピソードもあるそうです。弱い立場に立たされた人にこそ手を差し伸べる。これが角栄流の心のつかみ方だったんですね。自民党のライバル政治家や野党の政治家までも魅了してしまう器の大きさは、凡人にまねできるものではないと思います。
相手の事をとことん考え、相手の喜ぶようなことをする。それが「お金」という形で表現することが多かったのが最終的には批判の対象となってしまいました。
戦後の混乱期から、社会が成熟化する中で「清濁併せのむ」ことが徐々に許されなくなってきた過程にロッキード事件があったのだと思います。
大きな大義やビジョンを打ち出すこと。コトの重要性を見抜く力は天才的だったのだと思います。「日本列島改造論」もその象徴でしょう。
正しいビジョンを打ち出すこと。そしてそれを周りに納得させて、正しいやり方で成し遂げること。それらを両立することはいつの時代も難しいものだと思います。