平成 から 令和 へ

投稿者:落合智貴
4月1日に菅官房長官から次の元号が「令和」であることが発表されました。
世論はおおむね好意的に受け止め、5月1日の改元に向けて昂揚感が感じられます。
この半年~1年の間は“平成最後の”が枕詞となり、平成の30年間を振り返る特集などが新聞やテレビや書籍などで多く見られました。

保阪正康著「平成史(平凡社)」では平成の30年がどのような意味を持っていたのかを論じています。
平成の今上天皇は、昭和の戦争観を強く意識し、戦争への強い不信の念を持っている。昭和を因とし、平成を果とした様々な光景が生み出されている。また、平成の時代は「災害史観」という語が特徴的であり、阪神淡路大震災や東日本大震災を経て日本人が改めて災害という恐怖と向き合うことになったと述べています。

その他本文のなかでは以下のように平成の特徴を論じています。
・平成の始まりは米ソ冷戦の終結という転換点と重なる。
・自民党の1955年体制が崩壊し、非自民政権が誕生した。平成の政治を劣化させたのは小選挙区制の導入によるところが大きい。
・平成の今上天皇・皇后は“戦争”と“災害”に常に寄り添い続けた。
・自社さ連立政権の本格始動・阪神淡路大震災・オウム事件・Windows95の発売があった平成7年が昭和と平成の本当の転換点である。
・<戦後>という概念が死んでしまった。戦後民主主義を支えてきた人命尊重や人権尊重という価値観や倫理観が崩れてしまった。
・インターネットの時代になり情報の“送り手”と“受け手”の区別が無くなったと共に、質が低下した情報が大量にまかれるようになった。

これからは平成を因とし、令和を果とする因果が新たに生まれてくるのでしょう。
我々は平成の教訓を令和の時代にどう生かしていくべきか。
良い時代を作り、歴史を刻んでいくのは、今を生きる私たちの役目だと思います。