マイナス金利の影響は?

投稿者:落合智貴
日銀は2月16日よりマイナス金利を実施しました。
実施から3か月が経ち、様々なメディアで賛否が論じられていますね。
おおむね「効果が少ないのでは?」という論調が多い気がします。
私の実感としてもマイナス金利前後で大きく変化があったという感覚はありません。
当社の借入金利はマイナス金利導入以前から既に低水準で、この3か月における金利低下はありませんでした。

5月19日に帝国データバンクが「マイナス金利導入に関する企業の影響調査」を発表しました。ここでその要旨をご紹介します。
1、 マイナス金利の影響に関する回答は“影響はない”や“分からない”が約8割を占めている。プラスの影響を感じている業界は不動産業が突出している。
2、 企業の23.3%で金利が低下。とりわけ大企業で金利低下した会社が多い。金利引き下げに関しては自社から要請したケースより金融機関から提案があったケースのほうが多かった。
3、 マイナス金利をきっかけに資金需要が発生した企業は11.1%にとどまる。そのうちの用途は、設備投資が64.2%、運転資金39.2%、事業拡大が23.9%であった。

大企業はしっかり低金利の恩恵を受けているんですね。
今回のマイナス金利については金融機関にとっては逆風の政策だったようです。
一方、プラスに考える業界としては、不動産・自動車・ホテルなどが目立っています。
個人住宅や自動車など大きな買い物のローンが安くなることで需要が増えることをチャンスと考えているのでしょう。ホテルもインバウンド増加で需要が見込まれますから建設費に対する低金利はありがたいということだと思います。
日銀が今後さらにマイナス幅を広げるのか?新たな対策をとっていくのか?
動向が注目されます。