落合住宅機器の歴史を辿る【平成7年度(1995年度)前篇】

投稿者:落合智貴
平成7年1月には阪神淡路大震災、3月には地下鉄サリン事件。
バブルが崩壊し、リストラという言葉も聞かれてくるようになった頃です。
当時の社長であり私の父である落合隆博はこの年度の前から入退院を繰り返していた為、私はユアサ商事の入社からわずか1年で退職し、5月から落合住宅機器に入社することになっていました。
しかし、4月の下旬には父は入院し、社長不在の状態になってしまいました。
私はユアサ商事の仕事を午前中に切り上げ、病院で父から印鑑を預かり、会社で必要な事務を執り行いました。
5月に入り私が正式に入社してからも父の病状は悪化を辿り、指示を受けることもできなくなりました。
3月決算であるため税務書類を提出しなければならず、税理士とも連携を取りながら何とか5月末の申告期限には決算書を完成させました。バブル崩壊以降初の赤字。経常損失は約1600万円の苦しい決算です。

そして6月4日の日曜日、2代目社長である父は大腸がんのため入院先の病院で亡くなりました。
55歳の若さでした。

葬儀の後、創業者であり当時会長であった祖父 落合義作と私は今後の体制について話し合いました。
82歳の創業者が社長に再登板するのか、24歳の経験のない私が社長をするのか。
祖父は親族や親しい業界関係者の方々に相談し、悩んでおりました。
私がいきなり社長では大変だろうということで一時は私が専務でスタートしようかと決まりかかった時もありました。しかし最終的には私が社長で行くことになりました。
大学を出て一年余り。入社一カ月余りで私は落合住宅機器の三代目代表取締役社長に就任することになりました。
会社の存続を賭けた戦いがここから始まります。

【中央が落合義作会長(当時)、その左が筆者、父 隆博の遺影を抱えているのは母 由里香】
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関東グランドフェア2025 を見学

投稿者:落合智貴
7月3~4日に幕張メッセで開催された「関東グランドフェア2025」を見学しました。
気になるメーカーの展示をご紹介します。

TOTOは「TOTOウェルネスアプリ」を発表。毎日の便をスキャンすることで健康チェックをすることが出来ます。便の形(硬さ)、色、量を自動で計測。生活習慣をレコメンドしてくれます。
TOTO

ワンド(旧マイセット)はフレーム式のスケルトンキッチン「SOU」を展示。収納しているオシャレ調理具をあえて見せるというニーズに対応したものです。
ワンド

ダイキン工業は「マルチ冷媒制御ユニット(遮断弁)」を展示。微燃性の冷媒R32に対しては、条件によってガス漏れを検知する機能が義務付けられました。これから需要が増えてくる機能だと思います。
ダイキン

管機連2025社員総会

投稿者:落合智貴
全国管工機材商業連合会(管機連)の年に一度の定時社員総会が令和7年6月16日にグランドアーク半蔵門で開催されました。
講演会での内容をお伝えいたします。

●経済産業職 製造産業局 素材産業課 土屋課長
GX(グリーントランスフォーメーション)について2022年夏以降議論を加速している。エネルギー政策の要諦はS+3E(安全性・安定供給・経済効率性・環境適合性)。経済安全保障についてはサプライチェーンの多層構造化により誰が何を扱っているかがブラックボックス化しており改善が必要。米国の関税措置に関しては相談窓口を設置。

●国土交通省 住宅局 住宅生産化 山口氏
住宅政策における課題は、空き家対策・カーボンニュートラルの実現・マンションの老朽化対策など。長期優良住宅に係る認定制度により環境負荷の低減を目指している。2050年に住宅・建築物のストック平均でZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能が確保されていることを目指す。エコジョーズのドレン排水は平成24年から汚水ではなく雨水と同様の取扱いとなった。

●国土交通省 水管理・国土保全局 水道事業課 筒井課長
埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けて、国土強靭化中期計画における上下水道施設の耐震化等の施策を位置づけ。水道管の法定耐用年数40年を超えた管路は全国で23%を超えている。水道事業の財源は水道料金が大きなウェイトを占めるが、小規模な事業体ほど原価割れしている状況。水道の基盤強化に向けた基本的考え方は、①適切な資産管理 ②広域連携 ③官民連携

【意見交換会であいさつする管機連の大藪会長】
管機連2025

落合住宅機器の歴史を辿る【平成7年度(1995年度)後篇】

投稿者:落合智貴
平成7年6月4日に父 落合隆博が死去し、右も左もわからぬまま24歳の私は三代目社長に就任しました。私が入社した時には父はすでに入院していましたので、父と一緒に会社に行くことは一日もありませんでした。もちろん引き継ぎなんてできてません。
世間は「お手並み拝見」と思っていたことでしょう。「あの会社ヤバいんじゃないか」と思っていた人も少なくなかったかもしれません。

会社の存続が賭かった状況で、とりあえずやるべきことの優先順位をつけました。
社長就任の挨拶に伺うのは、1、金融機関 2、仕入先 3、得意先 の順番でした。
企業の資金繰りは待ったなしですので、銀行をまずは安心させなければいけません。そして与信不安を感じて商品を売ってもらえなくなっては困りますので仕入先への挨拶を行いました。得意先への対応はひとまずスタッフに任せ、ひと段落した後にお得意様を回りました。

何しろ入社して一カ月しか経っていませんのでやること全てが初めてです。
祖父の落合義作会長は現場を退いて永かったので細かいことは分かりません。
資金繰り、給料計算、ボーナスはどうする?
月次決算ってどうやるの? 算定基礎届ってなんだ! 年末調整?わけわからん
売上が下がってる?? お客さんの支払いが遅れてる?? 社員が辞めたがっている??

次々と押し寄せる難問に一つ一つ応えていくのに精いっぱいでした。
しかし、社員やお取引先様の助けを借りながら何とか1年を乗り越えました。
もう安心だと思えたのはこの何年後だったでしょうか?

【当時の初台の社屋 ナショナルとヒシパイプのブランドはもうなくなってしまいました】
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