池井戸潤の「陸王」

投稿者:落合智貴


今本屋さんに行くと「陸王」という本が山積みにされています。
この本の作者は「半沢直樹シリーズ」や「花咲舞シリーズ」の原作者である池井戸潤氏です。
池井戸氏は銀行出身だそうで、銀行員にまつわる小説が多いです。
半沢直樹の“倍返しだ!!”のセリフは一時ブームになりましたね。

今回の「陸王」は、100年続いた足袋(たび)製造会社のお話です。足袋製造は衰退産業であり、同業他社は徐々に倒産していきます。資金繰りが厳しい状況の中で、主人公は足袋の技術を生かしてランニングシューズを開発することを決意します。

テレビドラマにしてしまえば、一つ一つのエピソードを面白おかしく見ることができますが、私はこの本をリアルな実体験と重ねて読んでしまいました。
主人公の経営者は、自分の会社が衰退していくのをどうしたらいいか悩んでいます。
保守的なベテラン社員たちは今まで通りでいいと冷やかに見ています。
進むべきか? 退くべきか? 何もしないのか? 
どの道を進んでもリスクはあるし、猛烈に反対する人も出てきます。
自分が考えに考えて結論を出しても、まわりの関係者は簡単に納得してくれません。
それぞれの立場で利害が違うからです。

責任から逃げない。
決めたことは自分を信じてやり通す。
迷える私に勇気をくれた一冊でした。

興味のある方は是非お読みください。